ぼくらの焦土作戦(中)

続き。

失われた10年」世代が「破壊」に惹かれるのは
よく言われるように「がんばっても先に夢がない」という現状もありますが、
それ以上にゆとり教育の失敗に対するルサンチマンとか
経過の問題も大きいように思われ。
少し前のホームレス暴行殺人とか
この世代の犯罪が妙にセンティメンタルなのは
上の世代に対する「うそつき」というレッテルに端を発するのかなと。

だから、ホリエモンが破壊活動を行うことに関しては
この世代は基本的にウェルカムなのだと思うけれど、
では彼らの敵は旧世代だけなのかというと
それも多分違う。

少し前にあった調査で、
「自分を『上級者』と思っているネットユーザーは33.4%」
っていうヤツがあったんだけれど、
この「自分は上級者」と思っているユーザーというのは
多くがホリエモン〜ポストバブル世代で、
2003年の同じ調査よりもパーセンテージは下がった(03年は約48%)。

この数字が示しているのはもちろん
「ネットユーザーのすそ野が広がって初級者も参加しやすくなった」
ということであるのは確かで、
ブログの隆盛なんかが一役買っていることは間違いない。
しかし、その一方でこの数字から読み取れるのは
これまでネット社会が取ってきた微妙なパワーバランスと
その崩壊の予兆なのではないかと。

一般的にネットの利点は誰にでも参加できる開放性にあるわけだけれど、
その一方で「先行者メリット」というものがあって、
ノウハウを先に考えた人に顧客が集中してしまい
後から追いかけることが困難になるという事実がある。
2chで素人くさい発言をすると
決まって「半年ROMってから来い」と煽られることが象徴するように、
「自称上級者」たるホリエモン〜ポストバブル世代は
ある意味ネットに高い意識を求めて
コミュニティを牽引してきたわけだが、
それは後から来る世代の頭を抑えてはいなかったか。

失われた10年」世代がこの構造に一撃を与えようとするなら、
その狼煙はブログから上がりそうな気がするのだけれど・・・。
というところで今夜はお開き。
・・・(中)ってしたけどあと1回で終わるんか、俺。