奥田経団連会長はムー大陸の夢を見るか

タイトルに深い意味はなし。
総選挙がらみの論考でちと面白いものを見つけたのでご紹介。

Click opera - The old-fashioned future

書いてるのはNick Currieというドイツ在住のスコットランド人で、
ミュージシャンのかたわらHotwiredなんかでライターもやってるという人。

いろいろと面白いところはあるんだけど、主なところを拾っておくと

●Alex Kerr(『犬と鬼』という本を書いた日本通ガイジン)は
 「日本の川とか海のコンクリ護岸って醜いよね。土建国家ハンタイ!」
 って言うけどさ、
 「でも例のハリケーンみたいに洪水で溺れて死んじゃうのも醜くねえ?」
 と思うし、公共工事も大事で、それを止める郵政民営化もいかがなものか。

●資本主義は不動性(公共投資)よりも流動性(市場投資)を好む。
 つまり、コンクリで防災対策するよりも
 災害が起こった後に保険でカバーするのが資本主義らしいやり方。
 コイズミ支持するのは資本主義路線だと思うけど
 コイズミ支持者はその路線でOKなの?

●コイズミ路線で経済活動を活発にすると、「小さい政府」と言いつつ
 (地球温暖化が進行して海面が上昇しちゃうせいで)
 デカい防潮壁を造る「大きな政府」になってしまうという罠。

てな感じ。

Currieという人はミュージシャンとして日本ツアーの経験もあるし、
柄谷行人とかも読んでるくらいで
全然日本について分かってないわけじゃないんだけど微妙にズレてる。
さすがに日本人らしき人がコメントで
「テメエは分かってねえ!」ってツッコミ入れてるし。
でもそのせいで何故か新鮮で面白い見方なんですな。

逆に記事に出てくるAlex Kerrみたいな「わかってるガイジン」は
日本人に愛されるけども、こういう面白い指摘はしてくれないわけで。