テレビある星

小寺信良:正直、テレビはもうダメかもしれん (1/3) - ITmedia +D LifeStyle
アニメに関してはアニメーターの窮状を訴えたり中抜き批判を展開してくれる人が少なからずいるのに、その他の番組に関しては誰もいない、というのが、小寺氏の言う「スルー」され具合を物語っているのかも。収入のひどさではアニメーターに多少譲るにせよ、下請け制作会社のADだって徒弟制度的な体質と中抜きの犠牲者である点については負けず劣らずで、そのシステムの疲弊がコンテンツの創造性を奪っているのは明らかであるのに、誰もそこを指摘しない不思議。
ここ数年でテレビ業界が得た収穫と言えば『水曜どうでしょう』くらいしか思い付かないのだけれど、『水どう』の良さっていうのは基本的にあの4人で作っている「ムダの無さ」、大人の事情で決まるキャスティングやらに心乱されずに見られるシンプルさに尽きる。ある意味『水どう』のシンプルさは、番組Dであったすぎやまこういちがテーマ曲まで作ってしまった『ザ・ヒットパレード』くらいまで先祖返りしてしまった気がする。実に49年分の先祖返り。テレビ業界全体はそこまでシンプルな構造に立ち返ることができるだろうか。49年前に帰れるだろうか。業界の人口も、給料の水準も、すべてのものを。