眼鏡っ娘ウェブ進化論

ITmedia News: YouTubeで起きた悲しいできごと
2chのローカルな騒動で終わるのかな、と思っていたら某IT戦士が取り上げたこともあり意外と注目度が上がったこの事件。
この事件のヒロインであるところのサンミさんについて、ちょっとWeb2.0的に新しいなあと思うのは、今回サンミさんの表現拠点が少なくともYouTube内のものに関しては単にアクセスのラッシュでは潰れない「強さ」を見せ付けた点。ちょうど1年前の夏、ブロンドでヲタクで眼鏡っ娘という点でちょっとキャラのかぶるSvetlana Chmakovaというマンガ家さんのサイトがたけくまメモで紹介されたせいでアクセス過多に陥り、ウケの良かった日記マンガの画像を削除する羽目になった事例がありましたけれども、それと比べると1度はプライベートモードでアクセス遮断をしたとはいえ、2chに動画で反撃するという信じがたい暴挙に出たサンミさんの「強さ」は、サーバー負荷分散とかUIとか全部ひっくるめたYouTubeという表現拠点の「強さ」がもたらしているのかなあと、わずか1年がもたらした眼鏡っ娘の進化に慨嘆してみたり。
突撃の発端となった言語の壁の問題に関しては「ニポン人英語できなすぎ」という言い古された教育批判も出てくるわけですが、たとえ日本国内の英語教育の水準が今後かなり上がったり、Web翻訳がTOEIC900レベルくらいまで洗練されたとしても多分解決はしないんじゃないかと。日本国内の実例に思いをいたしてみればわかると思うのだけれど、東京人が埼玉人との微妙なアクセントの違いを挙げてしばしば埼玉人を迫害する(私怨)のと同様に、言葉は差別を生み出す最も簡単な装置なわけで(「野蛮人」barbarianの語源はギリシャ語の「わけのわからない言葉を話す人」barbarus)。「同じレベルに立って英語でわたりあおう」という意識でやる限りは「いつまで経っても喋りが硬いニポン人」扱いで格差が固定されてオチになってしまいそうだし、スラッシュドットみたいな英語の方も壊れ気味なところでの交流を増やしたり、YouTubeとは逆に日本語優勢なサービスの中に撒き餌につられた英語話者を引きずり込むことで心情的なギャップを最小化できれば良いと思うのですけれど。