「その次」の音楽

で、続きですが。

ここ数年ミリオン売れるCDが少なくなっているのは、
景気の低迷とか外的な要因も多少あるとは思うけれど
基本的にはテレビ世代型のビジネスモデルの崩壊であろうと。

視野がまだ狭いローティーンを囲い込むような音楽は
シェアとして飽和点を超えているし、
囲い込む道具であるテレビの支配力が落ちてきているために
結局のところプチ・アイドル同士の
パイの奪い合いになってしまっているわけで。

ネット世代には選択肢を自分の手で探す手段があり、
現在と過去、メジャーとマイナーといった情報に対する先入観が
前の世代よりもフラットなので、囲い込みが利きにくい。
そこで出てきたのがダウンロード販売のような
過去のソフト資産を切り売りして
ファンに限定せずに小金を堅く取っていく商売なわけですが、
これも需要が一巡してしまえば先行きはそれほど明るくないのでは。
つまらない新作は安くてもダウンロードで買わないでしょうし。

で、そこに次出てくるものは何かと考えてみると
「音楽の聴き方」を教えるビジネスじゃないかと、個人的に予想。
ゲーム業界が先にそういう方向に行きつつある気がするのだけれど、
無数にある過去のソフトを前にして
選択肢を探す手段(ネット)があってもノウハウがないユーザー向けに
初心者向けのスタンダードなソフトから始めて、
徐々にステージが上がっていくと
クセのあるソフトも楽しめるように、
遊ぶ=聴くソフトをプログラムしていく。

直接的な手段としてはamazonのマイリストの進化版みたいなやつで
買うソフトの方向付けをして収益につなげるやり方があると思うし、
出版を使った文字通りのエデュケーションにも
ニッチはありそうな気がするのだけれど。
これも一種の囲い込みと言えなくもないけれども、
テレビがやってきたようなタレントの数をばら撒いて客寄せ、ではなくて
個人に対するアプローチを精密にやるプロバイダが勝つ、という意味で
ネット世代にとっての音楽は「塾通い」に近くなってくるのかな。
・・・つまらない未来だ。

この辺の話、ホリエモンとかと組み合わせると面白そうだけど
それはまた後日。